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日本的建築について(のつづき)

  • 2020.05.27
  • 建築

さっそく、「Japanese ideal」とはなにかを考えてみよう。まずは鴨長明の方丈記から。

方丈というのは1丈×1丈の正方形のこと。1丈は、約3.030mなので3m×3mの小屋だと思っていただきたい。

ちなみに1丈は10尺で、1尺は303mm(30.3センチ)。1尺が3倍になると910mm。半間のことですね。910mmの2倍が1820mmで1間になる。立って半畳、寝て一畳が910mm×1820mmのことだ。

ここで建築家としては困った問題に当たる。どうして鴨長明は1間(の倍数)でなく丈にしたのか?そもそも方丈とはなにか。

 

調べていくと、方丈サイズの草庵(そうあん)に鴨長明は住んだらしい。草庵とは草葺きの仮小屋のこと。仮小屋の歴史は古く、イホ、イホリ、カリホと呼ばれ万葉集にもでてくる。出家したものや隠遁者が俗世間から離れて暮らすものらしい。非日常の事である。

お、でた。

ハレとケ。日常と非日常である。

方丈というのはもともと仏教的な意味合いが強く、住職の住まいや仏像を安置する本堂の役割を担うようになったとか。

鴨長明は自然に囲まれた仮小屋で、俗世のケガレから離れたところで思索を重ねた。ここから「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」が生まれたのだ。

 

 

ちなみに僕たちが日頃から使い慣れているメートルは、「地球の北極点から赤道までの子午線弧長の「1000万分の1」として定義」したもの(Wikipediaより)らしい。物理学や測量技術の発達でできたものである。

 

丈、間、尺やインチ、フィートは身体尺といって身体の長さが基準になっている。それに対してセンチやメートルは地球基準。われわれ人類は、身体で測る手軽さよりも地球という不動の絶対値を選んだのだ。

で、方丈である。

不思議なことに鴨長明の方丈は、この両方にまたがっている。身体尺で10尺、子午線の1000万分の3メートルというわけだ。建築家としてはまことに便利が良い。

10尺&3メートルを基準のグリッドにしていけば、身体的な感覚である草庵の美しさと物理的な基準を手に入れることができる。考えてみると、3×3グリッドの整数倍モジュールの建物が多いことに気付く。というか府内町家はこれがスタートだったのだ。これを最初に考えた趙海光先生(府内町家のモデルハウスの建築家です)はすごい。

 

あまり建築をモジュールで考える機会がないので、今回は鴨長明の方丈記を手掛かりにモジュールというものを考えてみた。さて次回は、何を手掛かりに考えてみようか。

                                                      佐藤 隆幸

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