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フラジャイルの逆襲:来るべき住宅建築に寄せて

2019.03.16
建築

ドナルド・キーンさんが亡くなられた。96歳だったという。若かりし頃に「源氏物語」に出会い日本の文化や芸術に傾倒していった。僕たち以上に日本文化に精通し、僕たちに日本というものを教えてくれた稀有な外国人(本人は帰化したけれど)だった。いつかは「百代の過客」を読んでやろうと先日紀伊国屋書店で手に取って買わずに帰ってしまった。残念。東日本の震災の時にやさしい口調でインタビューに答える姿が印象的だった。
こう書くとすぐに思い出すのが小泉八雲ことラフカディオ・ハーン。明治の日本に訪れて僕たちが忘れてしまった日本の原風景を書き残してくれた。「日本の面影」はもろく壊れやすい、そして本当に消えてしまった静かな日本の原風景だ。

キーンさんは平安朝からある日記文学を、ハーンは怪談を現代の僕たちに再評価して見せた。日記を文学まで昇華し、暗闇の中にもののけの気配を感じる僕たち日本人の精神性を見直せと異国から来たふたりに教えられたのだった。
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」も、数寄屋がなぜ「数寄(すき)」なのかという謎も解けるというもの。あまりに僕たちの失くしたものが大きくて深い。グローバリズムの名のもとに取り返しのつかないことをしてしまったのではないだろうか。

フラジャイルとはもろく壊れやすいことの意味。文字通り吹けば飛ぶようなことを指しているのだが、もののあわれという感覚を僕たちは(そもそも)持っていた。それは時には気配であったり匂いであったりして、形容することが難しく手に取って具体的に「これっ」と言えないもの。でも、僕たちの暮らしの中では確かに息づいている感覚である。
いつかの記事で、「それまでは、雨は『空から落ちてくる水』でしかなく、匂いなどなかった。」「(略)ある日突然、雨が生ぬるく匂いはじめた。『あ、夕立がくる』と、思った。」と森下愛子さんの「日日是好日」という茶道との出会いを描いたエッセイを紹介した。住宅という器のデザインをするときはこの感覚を取り戻したいといつも思っている。
窓の外の雨を、車から降りるときにめんどくさいと思わずにすむ感覚。家族の気配がテレビの雑音に消されなくてすむ感覚。便利さだけで見せかけのメンテナンスフリーに騙されない感覚。
なんのために僕たちは家をつくって住むのか。移ろいゆく暮らしとはなんなのか。キーンさんの「百代の過客」をそんな目で見ながら読んでみたいものだ。

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