障子のある柔らかな暮らし
- 2020.10.09
- カフェ
障子に映るなんとも優しい光と影が印象的な一冊の本。
もう解体して今はない祖母の家での障子を通しての思い出がよみがえってきました。
子供の頃遊びに行っては何かしら障子に穴を開け、それを祖母が障子紙を可愛らしい花の形に切り直してくれていたこと、古くなった障子紙の張り替えをした時の糊の匂い、張り替えた後に入る光の違い、障子戸を開けるときの感覚や音、冬の日に障子越しに暖かな日差しが入るそこは私のお気に入りの場所でした。
障子の「障」の字は遮る、隔てるという意味、それにものを表すのに添える「子」があわさり「遮るもの」が元々の意味です。
平安時代、障子は部屋を仕切るための嵌め込みや、視線を遮るために床に置いたものも障子とよばれいました。今日の障子は「紙張り障子」を略したもので、平安時代に出現したとされる「明かり障子」が原形といわれています。これは採光を目的とした細い格子を組んだ面の片側に薄い和紙を張ったもので、冬場は寒風を防ぎながら採光ができる待望の建具だったようです。
平安時代より形を変え今も私達の暮らしに使われている障子。家の外と中を柔らかにつなぎ、その向こう側の世界を想像させる光と影が映しだされるのも趣深く、季節によって変化するスクリーンのよう。
障子のある暮らしに日本人の心を感じた一冊でした。
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