自然の深み

今年の梅雨は、長いですね。

雨も例年より、たくさん降っている気がします。

晴れ間が恋しいな、と思う日々の中にも、この季節にしか出会えない、風景というものもあります。

とある山道。

長雨で、たっぷりと湿気を帯びたその空気の中には、生き物が発する生気といいますか、

瑞々しいエネルギーが満ちているような気がします。

深呼吸すると、そのエネルギーが、自分の身体にも沁み渡るよう。

目には見えないけど、普段気にも止めないけど、この季節は、たくさんいのちが生まれる、

そんな季節なんだなと思い出させてくれます。

私たちはひとの暮らしの場をつくるのがお仕事。

お家だったり、インテリアだったり、お庭だったり。

そういった場をつくるとき、常に「心地よさ」というモノサシが頭の中にあります。

人が感じる心地よさって、なんだろう。

どうすれば心地よいと感じるかな。

心地よいと感じるものをつくろう。

そのモノサシをあてがいながら、様々なものをデザインしていきます。

様々な心地よさを人は作れるけど、

こういった自然の深さに触れるとき、その心地よさの根本が、そこにはある気がします。

その根本は、世の中がどんなに便利になっても、変わらないんだろうな。

と思います。

それをそっくりそのままの環境だと、今の私たちには少々隔たりがあるので、上手に日常の中に取り入れてやる。

それが「デザイン」の役目。

何が本当に必要で、何が余剰なものなのか。

そこを見失うことなく、心からの心地よい場作りに、これからも取り組んでいきたいと思います。

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