住宅におけるコンセプトってむずかしい?
- 2018.05.04
- 建築
80年代バブル景気のころから働いている僕から見ると、「コンセプト」っていう言葉はどこか軽いイメージがあって、電通やら博報堂やらといった大手広告代理店の専売特許という感じがしてしまい、何かの流行のように思うのです。が、しかし。住宅にとって「コンセプト」それから「テーマ」というものは、本当に本当に重要なものと捉えましょう。 住宅というものは、毎日住んで、利用して、誰もが知っているがゆえに、誰もが住宅に対して一家言持っている、パンやごはんや洋服のようなもの。考え方やデザインや住まい方なんて、それこそ無限にあるものです。 おじいちゃんの建てた住まい、同僚が大手メーカーで建てた住まい、とにかく勢いで買った住まい等々・・・。 そんななかで「テーマ」があって「コンセプトが」がある住宅は、魅力的で情緒があり、何度観ても鑑賞に耐えられる映画のような存在です。
「テーマ」や「コンセプト」についてはいろんな解釈がありますが、ここではこう解釈したいと思います。 テーマは意味。コンセプトはその形。 建築家や設計者は家の形を考えます。「コンセプトがそのまま形になったような住宅」がいちばんの理想です。 どんな暮らしがしたいのか、どんな暮らしが待っているのか。 窓から見える風景を楽しみながら、ちょっと濃いめのエスプレッソが飲めるリビングスペース。食事の時はかならず家族がテーブルを囲み、自分の椅子が決まっているダイニングテーブル。その空気感。
04 意味の重い軽いではなく、どれだけコンセプトが形になっていったかがいい住宅の目安になると思います。生活の所作のひとつひとつが意味あるもので大切な行為となるような住宅が、いい住宅なのです。
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