府内町家の家づくり(後編)
- 2024.03.17
- 建築
今日は4つある府内町家の家づくりのコンセプト
【①自然素材の家 ②パッシブ設計 ③庭と共に暮らす家 ④家具を取り込む家】から、
「庭と共に暮らす家」「家具を取り込む家」についてお話していきましょう。
「庭と共に暮らす家」と「家具を取り込む家」とは、一言で言うとお家の設計にお庭と家具も一緒に考慮して設計するお家づくりと言えます。では、なぜお庭や家具まで一緒に設計しなくてはならないのでしょうか。その方がカッコイイから?もちろんそれだけではありません。
私たち府内町家が考えるお家の設計とは、「暮らしを作る」という事を意味します。それはいわば、暮らしを営む箱としての建物を作るのではなく、その箱の中での暮らしそのものをどのようにすれば、快適で心地よく、幸福で豊かなものにできるかを考えるという事です。それが私達、暮らしの作り手のプロとしての責任でもあり、使命でもあります。
そもそも何故、暮らしを豊かにしないといけないのでしょう。暮らすという事を出来るだけ簡潔に済ませられるこの時代に、わざわざ豊かさを求める理由…。
私は家族と過ごす場所が何よりも気持ちよくて、居心地が良くて、ずっと居たくなるような場所であること以上に幸せなことは無いと思うからです。少し極端な言葉でしたが、少なくとも私はそう思える場所で過ごしたいし、お家づくりをお手伝いさせていただくお施主様には、そう思える場所を提案したい。
だからこそ、お家づくりには、暮らしづくりには、お庭と家具も一緒に設計する必要があるんです。
「休日にはウッドデッキで家族とBBQを楽しみたい」
「プライバシーを気にせず、緑を感じながら外で朝ご飯を食べたい」
「家族と作る夕ご飯には、自家製の野菜やハーブを使いたい」
「薪ストーブの前でロッキングチェアに揺られながら、お家の中からこだわりの車を眺めたい」
「四季折々の緑の変化を楽しみながら、趣味を楽しんだり読書をしたい」
こんな豊かな暮らしを実現させるために、窓からの視線やウッドデッキの高さ・動線、周囲からの視線を考慮した植栽や板塀、サイズを計算されたカウンター、使い勝手のいい本棚が必要であることは言うまでもありません。
だから私たち府内町家は、家の設計だけに妥協できません。「庭と共に暮らす家」「家具を取り込む家」こそが、皆さんの暮らしを豊かなものにしてくれると確信しているからです。
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