軒の役割
- 2024.12.11
- 建築
ザサーッと車が水たまりをこする音で気づいた。
いつの間にか、雨が降っていたようだ。
視線を窓に移すと、双眸にデッキ上の穏やかな光が入り、デッキの先端が濡れていることがわかる。
若干、目線を上にあげた。
この家の軒は長く、1mを超えている。
長い軒の特徴は、いくつかある。
夏の直射日光を遮り、冬の日射を取り込むといった日射のコントロール、紫外線や雨から外壁を守り、建物の劣化を防ぐ、軒下空間を楽しむことができる、など…
それだけでなく、室内と雨との距離が遠くなるため、雨音が静かに聞こえることも特徴の一つ。
ここは、下戸次のモデルハウス。
空き家をリノベーションした建物で、リノベーション後約10年になる。
軒のおかげでウッドデッキは劣化が進んでいないことがわかる。
そして、窓ガラス越しには、張り出した軒、デッキ上の照明、奥の植栽、それぞれの存在によって、奥行きを見せてくれる。
まずは、日射による影、植栽の大きさ・色、風の動き、室内から見た変化を楽しむ。
では、軒下に出てみようか。
四季だけなく、天気や時間による周囲の変化に、意識を向けてみる。
雨の音、風の音、虫や動物の音が聞こえてくるだろう。
自然が織りなす重奏に包まれてみてはいかがだろうか。
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