大分の素材

地産地消を原点に、大分ならではの家づくりを

「府内町家」は、大分の木と土と七島藺の家

「現代町家クラブ」のメンバー

 現代町家の設計システムを考案したのは、建築家・趙海光氏。そして、このシステムを学び、建築を担当しているのが、全国の「町の工務店ネット」に参加する工務店「現代町家クラブ」で、大分からは日本ハウジング㈱が参加しています。
 各メンバーは、地域の町家の因子を発掘し、各地の現代町家に学び、現代町家の普及・発展のための活動を行っています。

大分が誇る自然素材を贅沢に

 現代町家の設計システムは全国共通のものですが、家づくりの材料は、地域によって異なります。
 大分の「府内町家」では、高温乾燥と天然乾燥を組み合わせた〝大分方式乾燥法〟の認定工場で生産された木を使用しています。さらに、この木材を佐伯にある山の中に数カ月間ウッドストックし、時間をかけて木を熟成させています。
 また、壁材には湯布地域の湖跡から掘り出される淡水産の「湯布珪藻土」を採用。これに北海道の稚内珪藻土を混ぜたものを使用しているため、ほかの珪藻土よりも約4倍の吸湿・放湿性能があります。
 「府内町家」の畳表には、国東半島の農家十数軒でしか生産されていない七島藺を使っています。七島藺は肌触りや匂いが良いばかりでなく、耐久性にも優れた自然素材です。
 大分の自然素材を贅沢に使った「府内町家」は文字どおり、大分生まれの大分の家なのです。

豊かな森を活用する木づくりの家

 森林王国・大分県のなかでも佐伯は一大林産地。佐伯杉は、樹脂分を多く含み腐りにくく、弾力性・耐久性があり強靭として知られます。「府内町家」の構造材に用いる平角材は、この佐伯杉のうちから、芯材(赤身の部分)が多く、素性のいい通直な良材を選び出し、大分方式で乾燥させ強度を確認したうえで加工場へと運ばれます。平角材以外の構造材や造作材についても、同じ大分のヒノキ材など、適材適所の「木配り」をほどこし、木の国・大分ならではの家づくりをすすめています。

大地の恵みから生まれた壁素材

 北海道、秋田県、石川県、岡山県、大分県で多く産出されている珪藻土。「府内町家」で用いる珪藻土は50万年前にあった湯布地域の湖跡から掘り出される淡水産珪藻土を素材にしています。珪藻土は石灰化した粒子の表面に無数の孔が空いており、それが珪藻土の高い吸放湿効果を生んでいますが、固まる性質はありません。このため、珪藻土を壁材として利用する場合は何らかの固化剤を混ぜなければなりませんが、珪藻土の孔を塞いでしまう樹脂の接着剤が混合されると自然素材とは言えない珪藻土になるのです。「府内町家」で独自に開発した〝湯布珪藻土〟は、主成分を地元の山で採れた安心な大分産の珪藻土と、湿度コントロールに優れた北海道産の稚内珪藻土を混合。結合材には自然素材のセルローズファイバーと食品のりを使用し、自然素材100%の珪藻土として壁材に使用しています。

地元の産物と伝統を継承

 「府内町家」の畳表には七島藺を用いています。大分では昔はどの家でも用いられてきた優れた産物です。普通のい草は断面が丸くて細いのですが、七島藺は断面が三角形で太いのが特徴。栽培、刈り取り、機織りと大変な労力を要することから需要が減少し、現在では大分県国東半島の農家十数軒でしか生産されていません。香りが良く、粘りがあり、摩擦強度に優れ、丈夫で湿気に強い大分が誇る自然素材・七島藺。「府内町家」では生産農家とともに、この最高の自然素材を大分の家づくりに活かしていきます。

人と環境にやさしいエネルギーを

 「府内町家」大分市片島モデルハウスには、暖房機として薪ストーブとペレットストーブを設置しています。特に山林の伐採、木片、端材、木くずなどから生成された木質ペレットを燃料とするペレットストーブは、杉間伐材の有効利用と需要拡大を促進するとともに、地域林業の活性化にもつながります。未利用材を熱源にすることで温暖化の防止にも貢献できます。地産地消を原点に「府内町家」の家づくりは、人と環境にやさしいエコロジカルなライフスタイルをも提案しています。