大分の自然素材で建てる新築・リノベーション。日本ハウジングは家を建てる前も建てた後も豊かに暮らすサポートをしていきます。
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お客様:『いとしや』社長 大杉天伸さん

プロフィール

大分県佐伯市生まれ。高校を卒業後、上京。大学卒業後、大手家具専門店に入社。インテリアの基礎知識と経験を4年半積み、家業を継ぐために帰郷。1996年、いとしや大分店をオープン、「アフター9のリラックス」をテーマに暮らしに心地いい、こだわりのセレクト商品を提案している。2002年に日本睡眠環境学会から「睡眠環境コーディネーター」の認定を受け、現在は「睡眠環境診断士」として“眠りの本質”を様々な場で啓蒙活動中。知識・経験・体感へのこだわりから、オリジナル商品の開発も手掛けている。現在、OBSラジオ「快適睡眠のすすめ」に出演中。

2. お客さんはインターネットのおかげで悩んでいる!?

馬場
この間、大杉社長に寝室の指導をしていただいたのは、非常によかったです。
今まではただ室内の一部としてお客さんを案内していましたが、閉めていた寝室の扉を空けた時、お客さんが「わぁ!」と言ってくれるんです。
大杉
自分の場合も、お客さんに知ってほしいのは、枕やマットレスなどのモノではなく、体験や体感なんです。
その体感によってどんな自分の未来が描けるかを見せてあげて、それにお金を出す価値があると思ってもらえるかどうか。

枕って1,980円からあるんですが、うちのは1万円以上する。でもお客さんが買ったのは枕というモノじゃない、ということを体感をもって伝えると、表情も変わるし、使っていただいた後の感想は「おかげさまで」となるんです。

大分は健康寿命と平均寿命の差が日本一大きいんですが、みんなが気持ちよく眠ってこの差を少しでも縮めないと、地域の財政的にも苦しくなります。
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馬場
そういうことは、数字や仕組みでは伝えられない。やはり体感なんですよね。
それを体験した人にしか見えない世界を教えてあげたい。
大杉
そうなんです。そこなんです。
ここのBook Cafeができた時に、「やられた」と思いました(笑)。
自分も店の2階で、睡眠の本や、月や夜景の写真集などを集めて、睡眠カフェみたいなのをやりたいなぁと思っていたんです。
そうしたら、先にやられちゃった(笑)。
馬場
ははは(笑)。
大杉
でもある意味、私が思っていることはやっぱり間違いじゃないなと、心強かったですね。

今ネット上にはいっぱい情報があって、何かわからないことがあれば、ピピッとキーボードを押せば、すぐ答えが得られる。
でもそれって目の前のお客さんを見てないでしょう?

本当に必要な情報は、自分の伝えたいことに興味を持って来てくれた方に何か働きかけた時、どんな反応があったか。
それだけが真実だと僕は思っているんです。
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馬場
本当にそうですね。
住宅業界では、今、性能主義になってきているんです。
温暖化などの問題もあって、性能を上げなきゃいけないということで、数字合戦になっています。

でも僕はそういう性能だけを追い求めた家に入ると、すごく閉塞感があるんです。ここじゃあ、かえって人は病気になるなと。

コストバランスよく性能を上げるには、窓を小さく、居室を狭くすればいい。でもそれって、とても人がくつろげる家じゃないんですよ。
大杉
なるほどね。
馬場
たしかに部屋と部屋の温度差はなくなるのでヒートショックなどは起こらないかも知れないけど、くつろぐとか、自分らしく生きるという意味では、真逆をいっているなと思うんです。

今こそ、性能を上げながらQOL(クオリティ・オブ・ライフ)もクリアさせていくことが業界に求められていると、最近思います。
大杉
寝具の場合も、たくさん売ろうと思うと、ばんばんコマーシャルして、早く安く大量に供給を、となるんだけど、ひとりの人と向き合うのは、またやり方が全然違うんですね。

うちの店に来られるのは基本的に大分の人だから、大分の風土に合った睡眠環境とか寝具の素材ってどんなものだろう、ということを考えます。
全国的に売れている寝具でも、大分の風土に合うのかどうか。
馬場
その通りですよね。
大杉
この枕は大分の風土に合わない、とか言うのは私ぐらいですよ(笑)。風土だけはここに住んでる限り変えられないからね。

例えば、お宅はペアガラスですか?寝室に夏は冷房をつける派ですか?できるだけつけたくない派ですか?といったことを聞く。
つけたくない派なら、この素材はムレるので、こっちの頭を冷やす素材の方がいいですよ、とかね。
馬場
僕もね、お客さんに、こんな5種類があります、どうぞどれでも選んでください、というのは間違っていると思うんです。

やはりそのお客さんの話を聞いて、「僕たちはこれがベストだと思います」と言えるのがプロの価値であると。普通は逆をするじゃないですか。こんなにあるからどうぞ何でも選んでくださいと。

プロの私たちとお客さんとでは、場数が違うわけです。ベストな選択を教えてあげられないのなら、プロとは言えません。
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大杉
僕もスタッフに言うんです。
お客さんに1つ1つ商品の説明はしなくていい。お客さんの状況をしっかり聞いて、これが最もふさわしいと判断した理由を説明してもらいたい、と。
判断の基準のないお客さんに1つ1つ説明したら、ますますわからなくなる。

判断するためには、勉強しないといけない。それが仕事のやりがいになると思うんですが、そうなるまでには時間がかかる。
そういう人を育てていくことが、僕の仕事の大部分のような気がします。
馬場
お客さんのことを思って、お客さんのために判断できることが大切ですね。
お客さんはインターネットのおかげで悩んでいるんですよ。
大杉
おぼれている(笑)。
馬場
僕たちを信じて、とにかく家を一回建ててみてください、と言いたいですけどね。

それでこういうことも考えたんですよ。建てた家をお引き渡し前に賃貸でしばらく住んでもらって、思った通りだったら購入してそのまま住んでください、と。
車にはレンタルがあるけど、家にはないですからね(笑)。
大杉
今、お泊まり体験をやってるでしょ。あれも、やられたなと(笑)。
馬場
でも大杉社長のところみたいに、家の貸し出しはさすがにやってない。
大杉
あれはね、お客さんが買う前に寝てみたいなぁと思った時、クイーンサイズのマットレスなんか貸し出せないし、お金を少し払ってもリラックスして試せるのがいいかなと考えて、貸別荘のオーナーさんにマットレスを置かせてもらったんです。
実際泊まったカップルが、気持ちよく眠れたので、これから自分たちの大事な時間を過ごすためにと購入されました。

最終的には、地元にあそこがあってよかったと、どれだけ言ってもらえるかだと思います。
困った人にこそ来てもらえる店や会社になりたいですね。
馬場
そう思います。
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