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府内町家スタイル 10

建てるならZEHの家がいい?

ZEHで軒のある家>ZEHだけど軒のない家

今では当たり前になってきたZEH。もう一度意味を確認すると、ZEHとは「エネルギーを極力使わない家を建てて、かつエネルギーを上手に使う事によって、太陽光発電などで創った電気でエネルギーの自給自足ができる家」ということになる。

ZEHのメリットは、①夏冬の光熱費が削減できる ②将来電気料金が上がっても自給自足だから問題ない ③断熱性能が高いため冬場暖かく、ヒートショックのリスクを軽減できる ④断熱性能の向上はアレルギーの発生を抑える一定の効果が認められている などが言われている。

このように考えると良いことばかりのように聞こえるが、ZEHの家を建てる際には気をつけなければならないことが2つある。1つは、その住宅は太陽の光や風、湿度をコントロールできる設計(これをパッシブデザインと呼ぶ)になっているか、もう一つは、高気密の密封住宅では空気環境が人体に大きな影響を与えるが、その住宅の空気が汚染されない仕組みになっているか、ということだ。

順番に説明しよう。まずパッシブデザインについて。以前のコラム「家の軒は深いほうがいい。」でも書いたが、日本の住宅の性能を考えるときに厄介なのは、春夏秋冬のすべてに快適性を求めなければならないことにある。冬と夏とでは真反対のことを求められるわけだ。詳しくは以前のコラムを読んでほしいが、日本の先人は軒を深くすることで、夏場の直射日光を家の中に入れず、かつ冬場の低くなった陽の光は家の奥まで取り込むという妙案を考えついた。これがまさにパッシブデザインである。つまり軒がない家を高性能に断熱してしまうと、夏場の直射日光が家の中にダイレクトに差し込み、家の中にストーブがある状態になってしまう。性能が悪い家ならその熱は勝手に逃げていくのだが、断熱性能を上げているために熱がこもってにオーバーヒートしてしまう。これが最悪のZEH住宅であり、あまり知られていないZEHの落とし穴である。太陽の光だけではない。風も湿度もきちんとデザインしておかなければ、同じZEHの家であっても機械に頼らなければ解決できない家になってしまう。

2点目。空気環境について。家の性能が上がり密封住宅になるにつれて、新建材と呼ばれる材料から出るVOCガス(揮発性有機化合物)やカビによる空気汚染が原因で起こるシックハウス症候群が大きな問題となってきた。そこで「24時間換気をつけっぱなしにして空気を入れ替えましょう」というのが今の法律である。断熱性能を上げて省エネな住宅にはなったが、電気代を使って空気を入れ替えなければ病気になる家になってしまった。しかしこれについては簡単な解決方法がある。まず、空気汚染しない自然素材の建材を使うこと。次にカビを生えないように室内の壁に湯布珪藻土(珪藻土にもまがいものが沢山あるので)を塗り、湿度調整をしてあげれば大丈夫である。

さて、このようなZEHの家だが、「これから新築をするときに実際にどこまでやればいいのか」とよく聞かれる。私は最低でもZEH Ready(ゼッチレディー)の状態にしておいてはいかがですかと言っている。ZEH Readyとはつまり①将来、太陽光発電や蓄電池を搭載すれば自給自足できるように断熱の精度を上げ(大分ではUa値 0.6以下)、なおかつ②太陽光発電が乗っても耐震性能が落ちないように構造計算をおこなう。さらに③南側に下がる大きな面積の屋根を設計すると言うことである。太陽光発電は手の届きやすい価格になってきたが、蓄電池はまだまだ価格が高く寿命が短いために実用的でない。これらの設備を導入するタイミングを見計りながら、家はパッシブデザインされたZEH対応の家にしておくのがベストだ。設計力が求められるがやりがいのある仕事である。

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