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小津安二郎と木の家、木造住宅

2018.09.14
建築

小津安二郎の「東京物語」を観ました。
舞台は広島県尾道の年老いた父母が息子たちに会いに東京へ行く話です。
映画は小津らしく、しずかなトーンで進んで行きます。かといって穏やかな映画かと言われれば、そうではない。むしろある種の緊張感が終始画面から伝わってきます。

小津の映画の特徴であるローアングル。そして動かないカメラワーク。構図がばちっと決まっているからカメラは動く必要がなく、そのかわりに登場人物たちがフレームインして、フレームアウトする。時には障子やふすま、画面の奥にある壁や建具を介して、日常の所作が、あるときは優雅に、あるときは無作法に映し出されます。

画面に映し出される優雅さと無作法さ。親の言うことを聞かない子供が駄々をこねる。自分は忙しいからと言って、親の面倒を見ない長女。もともとの日本家屋が持っている美しさを画面に閉じ込めておきながら、そこで繰り広げられる家族の関係は穏やかでない日常。

小津はこのドラマティックでない日常を、尾道や鎌倉の日本家屋(木造住宅)が本来もっている「佇まいの美しさ」をとおして映画という芸術に昇華させています。文句を言ったり駄々をこねたり独りよがりの独白をするのは、誰にでもある日常。だけどそこに悲しみや慈愛が顔を出す一瞬があります。住宅という「佇まいの美しさ」がどうしようもない私たちと握手を交わす一瞬です。

漱石の言うように「兎角に人の世は住みにくい」のならば、住宅は、美しい佇まいであるべきです。

「東京物語」は映画の文法でいうところの素晴らしい対比で組み立てられています。
尾道と東京。となりのおばちゃんが顔を出すプライバシーのなさ(=尾道)と、東京の家族の妙にプライバシーに気を使う暮らし方。
原節子(美人!)は文化住宅という味もそっけもないアパート暮らしですが、そこで義母がうけるもてなしはこの映画で最大の温かさに包まれています。

この映画は「核家族による大家族の崩壊」などと解説されることが多い作品ですが、そんな大雑把なものではなく、もっとセンシティブで普遍的な映画だと思います。
ふすまの向こう、廊下の突き当り、格子戸、木造住宅の佇まい。ひとは、家族は、そうやって柔らかく仕切られた空間のレイヤーのなかで暮らしていきたいものです。

 

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